Illustrator 問題1:母の日・父の日チラシの制作

課題内容

「問題1:母の日・父の日チラシの制作」は、見本として支給されたJPGデータをもとに母の日のチラシデータをIllustratorで制作し、さらに、そのデータを指示通りに変更して、父の日のチラシを制作する課題です。

【問題文全文】

この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。

出題の意図

指示書に沿って、指定されたIllustratorの機能を利用してデータを作成していただくことによって、普段利用していないIllustratorの機能を習得して今後の業務に役立てていただけることを想定しています。
また、Illustratorでの写真の扱い、図形のトレース、グラデーションなどの色の扱いも再確認できる課題となっています。

完成見本

課題のポイントと必須技能

主な必須技能について

作成する課題は、初校用データという想定なので、修正指示があった際に、文字や図形の修正が効率的にできることが要求されます。

◎リピートラジアル

リピートラジアルを利用して図形を作成することで、後から半径の修正・回転するオブジェクトの数などを簡単に修正できます。
また、作成したオリジナル図形の形状も簡単に追加修正でき、柔軟性に富んでいます。
ただ、リピートオブジェクトに対してアピアランスで塗りや線を追加してしまうと、リピートオブジェクトが拡張されてグループ化された図形になってしまいます。
今回の課題は、リピートラジアルで修正できるよう指示されていますので、分割拡張されないように作業する必要があります。

◎シンボルを利用した文字の背景

シンボルを利用する利点は、シンボルを修正するだけでシンボルを適用されている箇所が一括で変更されるところです。
今回の課題の指定では、文字の背景が円弧を描く形状になっています。円弧の部分をダイレクトに作成してしまうと、後から円弧の修正が難しくなりますが、アピアランスを利用して円弧の量を変更できるように作成されていれば、修正が容易になります。

◎線幅ツールを利用した矢印

矢印を作成するときに、アウトラインをトレースしてしまうと、後で矢印を修正するときにバランスが取りにくくなってしまいます。
元の線をできるだけ少ないアンカーポイントで作成し、線パネルで矢印に変更し、線幅ツールで太さを調整することによって、矢印の長さや向きの修正が効率的にバランスよくできます。

◎文字の回転とシアー

見本として支給されたJPEGデータでは、タイトルの文字が変形されています。
文字の回転角度は、ものさしツールで測定することができます。
文字の回転は、回転ツールやシアーツールを使用しなくても、変形パネルで簡単に変更できます。この時、回転角度の入力は後から確認しながら変更できますが、シアーの入力は確定後に0に戻ってしまうので、慎重に入力する必要があります。
また、写真のフチの部分の変形も、変形パネルを利用すると同様に変更できます。

この課題で一番の難所は?

リボンの着色部分が、一番の難所といえるでしょう。
リボンのトレースは、元の素材の10度の傾きを元に戻すことにより、左右対称になります。こうすることで、効率的に作成できます。
色の部分は、パーツごとにグラデーションが使用されていますので、よく観察する必要があります。リボン中央の陰影部分の表現がないと、減点になってしまいます。
模範解答では、リボンの中央の影になる部分は、グラデーションの塗りではなく、ぼかしを利用して作成してみました。その他にもいろいろな方法で同様の表現ができると思います。

この課題は普段の作業でどう役に立つか?

今回の課題では、どの機能を使用して作成するかも指定させていただいたため、普段その機能を使ったことがなかった方にとっては、新しい機能を学ぶ機会になったのではないでしょうか。
未知の機能であっても、自分で調べたり、他の方に使い方を指導してもらいながら課題に取り組める点が、第1次審査の一番のメリットだと考えます。

課題出題者からのメッセージ

今回の課題に取り組んでいただき、ありがとうございます。
平均得点が高かったのは、出題者にとって嬉しい限りです。
この課題のために利用した知識を今後の仕事に役立てていただけることを楽しみにしています

模範データ

この課題のIllustrator模範データを確認したいコンテスト参加者の方は、下記よりダウンロードいただけます。
ダウンロードの際は、第1次審査課題用データのダウンロード用ID・パスワードの入力が必要です。
ダウンロード用ID・パスワードは、ご参加者宛に郵便および宅配便で送付した資料内「第1次審査資料送付のご案内」に記載しています。

問題1のIllustrator模範データをダウンロード(要ID/PW)

注意事項

課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。