課題内容
「問題2:横組み冊子の制作」は、支給されたPDFを参考に横組み冊子を制作する問題です。
【問題文全文】
この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。
※問題文PDF内の指定の一部に誤りがございます。修正箇所は下記の通りです。
【印刷仕様】
誤)• 色数:1 色(スミ刷り)
↓
正)• 色数:4色
出題の意図
支給されたInDesignデータを利用して冊子を制作するにあたり、ブック機能を活用して章ごとのフォーマットの統一や、ページ番号の整理ができているかを問う問題です。
印刷物作成にあたって、指示書通りにデータが作成されているか、作成した書式やフォーマットを他人が利用したときに利用しやすく効率的に作業できるか、InDesignの段落スタイル・文字スタイル・正規表現スタイル・テキスト変数・箇条書き(自動番号)・ブック機能・プリフライトなどの機能を適切に利用しているかについて採点しました。
また、制作指示書の要望に対してInDesignの機能を利用してうまく対処できているか、ブック機能を使う際に気をつけるべきポイントが理解しやすい内容で申し送り文に記載されているかについても採点しています。
完成見本
課題のポイントと必須技能
主な必須技能について
問題文には「書式等の変更が容易にできるフォーマット作成を心がけてください」という記載がありましたが、見出しや本文などに段落スタイルや文字スタイルが作成・適用されていることが必須技能となっています。
また、親ページに共通して入る部品(柱・ノンブルなど)が設定されているかも必須技能としました。
各種見出しについて
各種見出しは、アンカー付きオブジェクトを使わずに、段落スタイルを適用することで形になるように作成するのが望ましいと考えます。
◎章番号
作り方はいろいろありますが、「段落境界線」と「線種」の組み合わせで作成するのが望ましいと考えます。また、章番号の内容は柱にも使うため、テキスト変数で自動入力できるような作り方が望ましいでしょう。
◎章タイトル
章タイトルは「段落囲み罫」で設定します。
◎見出し1
こちらも作り方はいろいろありますが、「段落境界線」・「段落囲み罫」・「段落の背景色」などを組み合わせて作成することが望ましいと考えます。
◎見出し1~3の先頭についている数字
「箇条書き」の「自動番号」を設定することで、自動で番号を振ることができます。
さらに、見出し2・3にはレベルを設定することで、自動で番号を振り直すことができます。
◎「段落分離禁止オプション」
各種見出しには「段落分離禁止オプション」を設定することで、ページの最後に見出しがきた時に自動で次のページに送り出されるようになります。
◎ブック機能
制作指示で「ブック機能の使用を必須」としましたが、ブック機能を適切に設定しないと予期せぬトラブルにつながることが多く、企業ルールでブック機能の使用を禁止していることもあるかもしれません。
今回の問題の作業手順の1例として、
- 第1章をしっかり作り込んだあとに、第2章~第6章をブックで同期させる
- 章ごとに色の設定を変更したあとは、ブックの同期オプションで同期したくない項目を外す
のが望ましいと考えます。
この課題で一番の難所は?
特に難しい部分は設けませんでしたが、しいて挙げるならば「見出しの装飾」ではないかと思います。
普段の作業でも、InDesignの段落スタイルでできる範囲の中で見出しのデザインを作っておくことで、効率よく作業でき、なおかつ修正に強いデータになると考えます。
この課題は普段の作業でどう役に立つか?
今回の課題のように章やページ数が多い案件を作業する際には、InDesignのドキュメントを複数ファイルに分ける必要性があり、その際に、複数ファイルの書式やフォーマットの統一、ページ番号の管理をするためにブック機能を活用した方が便利な場合があります。
ブック機能は使い方を間違えると予期せぬトラブルにつながることが多く、そういった面ではリスクが高い機能ではありますが、必要に応じてうまく活用してみてはいかがでしょうか。
課題出題者からのメッセージ
今回の課題は第1章のフォーマットや各種スタイルをしっかり作り込むことで、第2章以降は検索・置換で大体仕上げられる内容にしました。
単発の案件であれば作業効率はそれほど考えなくてもいいかもしれませんが、今回の課題のように複数のInDesignファイルを管理しなければならないような、ボリュームが大きくなりがちな案件では、最初の作り込みが非常に重要だと思います。
模範データ
この課題のInDesign模範データを確認したいコンテスト参加者の方は、下記よりダウンロードいただけます。
ダウンロードの際は、第1次審査課題用データのダウンロード用ID・パスワードの入力が必要です。
ダウンロード用ID・パスワードは、ご参加者宛に郵便および宅配便で送付した資料内「第1次審査資料送付のご案内」に記載しています。
問題2のInDesign模範データをダウンロード(要ID/PW)
注意事項
課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。